作り出された音楽は誰のものか。触れてはいけない禁断の果実。音楽制作者がウェブでもって,自分でプロモーションし,自分で音楽を配信する。インディーズではなく,プロとしてだ。当然,利権にあぶれるものが出るわけで,それを強く禁じようとする。まるで,小学生のような幼いやり方でもって。
ソニー・ミュージックの契約書に,アーティストが自分の公式ウェブサイトの管理権を放棄することを求める条項が加わり,物議を醸している。この契約書によると,アーティストは自分の名前などを冠したウェブサイトと,そこから派生したすべてにわたって,永久にソニーが権利を所有する。近い将来,アーティストがウェブ上でマーケティングと配給体制を持つ新しいプロモーションの形になった場合,問題が生じる可能性がある。
音楽制作者の自主的なウェブの作成,利用を制限する項目。あまりの強引さに開いた口がふさがらないというか…。もともと,レコードメーカーにとって,所属アーティストは自分の商品なんだと思えば,まぁいいのかと思うかもしれないが。…って商品というよりは,奴隷に近いな,やっぱし。レコードメーカーというのは,現代社会においては,吹き溜まり的な存在でしかない。自由な音楽の売買を拒否し,自由な音楽の流通を阻害する。そうして音楽の所有者として成り上がっている。音楽制作者をさしおいて。存在価値を見いだせない。MP3やオンラインでの音楽配信などでの論議を見ても,一目瞭然。
数年後,レコード会社というものがなくなっている社会を考えることは,不可能とは思えない。P-MODELがBitCashを利用して先達をつけているが,自分でウェブを作り,そこで直接的な音楽配信を行う。JASRACもいらない。著作権が著作者にないなんて,どこかに嘘があることでしかない。自分で作った音楽は,「自分のもの」でなくてはならない。世間知らずのアーティストさんであっても,それくらいは「常識」を持ってもらいたいものだね。(参照記事として,asahi.comの平沢進インタビュー)
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